Art-SITE vol.1 武内もも個展「待つ身体、眠る身体」
the body that waits, the body that sleeps


金沢市民芸術村アート工房 PIT5
2022年9月24日(日)〜2022年10月6日(木)

 

主催/金沢市民芸術村アクションプラン実行委員会
共催/金沢市、公益財団法人金沢芸術創造財団
企画/金沢市民芸術村アート工房ディレクター モンデンエミコ・宮崎竜成
Photo by Nakajima Yusuke

 

 

●展覧会ステートメント

 

粘土でかたちを作ろうと思い立つのは、部屋や作業場、そのあいだの街にある、ものや人が持つ 時間感覚を目の当たりにするときです。それは予期せぬ出来事であったり、瞬きひとつで過ぎ去ってゆく瞬間であったり、途方もなく長くて捉えきれない時間であったりします。

眼から粘土へ、粘土から焼き物へとその姿を移していくとき、それと並ぶように私の身体は存在しています。日を跨ぎながら、粘土がそのかたちを変えていき、そののちに乾くまで、窯の中で焼きものへとたどり着き、触れることのできる温度になるまでの間、歩いたり食べたり眠ったり するその暮らしの中で、作品の移り変わる時間を待ちます。

制作者である私自身の身体を陶芸のなかに見出そうとするのは、もしかすると私は私の眠る姿を 見ることができないということを知っているからかもしれません。

粘土から焼きものへと移るその過程をひとつずつ確かめながら、陶芸が人に待つふるまいを持たせるとき、私は私の眠る身体を焼きものの中に見つけようとします。

 

 

●作品

粘土から焼きものへと登る絵
2022/和紙に木炭、鉛筆

私の住んでいる街ではどこにいても背景に山があります。街にいるときはのっぺりしている山も、その麓に立ってみると1つの石ころ、1本の木が重なり集まってひとつの山になっているのだなぁと気づきました。窯の中で粘土の粒子が離れたりくっついたり、膨らんだり縮んだりしながらひとつの塊になっていく道のりを温度の上昇と山の景色に重ねて見ることができるのではないかと思いました。

 

 

人の周辺の最小単位と、それがくっついたり離れたりすることについての連作。
私の指で粘土のかたまりをつまんだ時の量感について、カレンダーをモチーフに制作した作品や室内にまつわる作品を並べました。

 

 

 

●会場記録写真