レトロニム 01
(ひとり入ったらその分溢れる)プールのサイド
わいわいぱ〜く(京都府京都市下京区和気町4,2階)
2022年7月15日(金) ~ 7月31日(日)
協力 わいわいぱ〜く
企画・製作 レトロニム
主催 劇団速度
展覧会特設サイト https://theatre-sokudo.jimdofree.com/new-event-1/
「窯を焚く、少しだけ眠る」
2022/ 作業机、陶土、ポリタンク、スマートフォン(映像・6 分25 秒・ループ再生)、タオルケット
夜中に窯を焚いていて、タイマーをかけて1
時間だけ眠りました。その時見た夢では、昔に育てていた、今は枯らしてしまってもういない植物の数々がそこにいて、雨に降られていました。私の周辺には陶芸と暮らしがありますが、どちらも私の主観的な時間だけで動いているわけではありません。冷蔵庫の中にいつからあるのかわからない野菜を見つけて驚いたり、作業場ではただ素材の変容を待ち受けることがよくあります。そんなとき、私に知られることなく密かに流れている時間について想像します。昔にこんな話を聞きました。粘土は400
度から500 度のあいだのどこかで水分が放出し切り、粘土から焼き物になる。窯の中が蒸気で満たされるとき、温度の上昇速度が急に遅くなる。そこが焼き物に変わるちょうどその瞬間であると。この作品を焼くとき私はじっと温度計を見つめ、その瞬間と思うところで温度を止めました。